不動産用語集
あ行
IHクッキングヒーター
IHとは、Induction Heaterの頭文字を取ったもので、「電磁誘導加熱器」という意味である。
IHクッキングヒーターは、トッププレート(結晶化ガラスなどの板)の下に、磁力発生用コイルを敷いたものである。
トッププレート上に鉄製の鍋を置いた状態でコイルに電流を流すと、電磁誘導により鍋底に電気抵抗が生じ、電気抵抗により鍋底が加熱される。
このような原理により鍋底全体を直接加熱するので、周囲の空気へ熱が逃げにくく、熱効率が80%以上と高いという特長がある。 2キロワットのタイプのIHクッキングヒーターは、4,000キロカロリーのハイカロリーバーナーに近い火力を持つとされている。
ただし電磁誘導により加熱を行なうため、磁力の影響を受けやすい調理器具(鉄製のフライパン、鉄鍋、18-0のステンレス鍋、鉄ホーロー鍋など)を使用する必要がある。アルミ鍋、銅鍋、土鍋、耐熱ガラス鍋などは使用することができない。また、鍋底が平らでない鍋(中華鍋など)も使用できない。
このため、アルミ鍋・銅鍋・超耐熱ガラス鍋などが使用できるクイックラジエントヒーターとIHクッキングヒーターを組み合わせたタイプの調理用ヒーターが開発され、普及しつつある(詳しくはラジエントヒーターへ)。
またIHクッキングヒーターを使用するには、家庭内の分電盤において、IHクッキングヒーターだけに使用する200Vの専用回路を設置する必要がある(ただし予備の回路がある場合、その回路を利用できる)。
赤地
登記所に備え付けられている公図において、赤く塗られた部分のこと。
国有地である道路を示すものである。
従って、本来赤地は国有地であるから、一般の宅地にはならないはずだが、長い年月のうちに道路であることが忘れられてしまい、赤地を含む敷地に普通の住宅が建っていることも少なくない。
このような赤地を含む敷地を持つ中古住宅を購入する場合には、赤地(国有地)を国から払い下げてもらう手続きを踏むのが安全である。
RC
「Reinforced Concrete」の頭文字を取ったもの。「鉄筋コンクリート構造」という意味である。
鉄筋とコンクリートによって、柱・小梁・大梁・スラブ・壁を造り、すべての部分を一体化した構造のこと。
鉄筋コンクリートの部材は、引っ張る力にも、圧縮する力にも強いので、地震に対する安全性が高い構造となる。
また、すべての部材がコンクリートで一体化され、部材同士の接合部は剛であるので、建築学上の「ラーメン構造」となっている。
この鉄筋コンクリート構造のデメリットは、自重が大きいため、原則的には大空間建築や高層建築に向かないということである。
板目
山形や波形の模様を呈する木目。樹木の年輪に対して接線の方向に切断した断面に現れる。木材の一般的な木目は、板目である。
板目の木材は、製材効率が高く、板幅の広いものを切り出すことができる。ただし、乾燥するとき表裏に収縮の差が出やすく、反りなどが生じやすいとされる。また、節を伴うこともある。
なお、板目に対して、並行した縦縞模様の木目を「柾目」と言う。
一時金
毎月支給される給与以外の、一時的に支払われる給与をいう。賞与、ボーナス、期末手当等がこれに該当し、通常、年2回支給される。
一時金の性格については、経営上の業績等に応じて支給される特別の手当て、または、毎月の給与を補填するべく支給される生活給とする2つの考え方がある。しかし、いずれにしても給与であることに変わりはない。
ウィークリーマンション
短期間の居住のために賃貸されるマンションをいう。「短期賃貸マンション」ともいわれる。
家具、家電製品、食器・調理器などが備わっていて、一時的な滞在の便を満たすことができる。また、賃貸住宅に比べて賃貸借の手続きが簡単である。
ウィークリーマンションの営業は、旅館業法による宿泊営業または不動産賃貸営業(貸室業)のいずれかにあたるが、その基準は明確ではない。一応の目安として、賃貸期間が1ヵ月を超えていれば貸室業であるとされている。
ウィークリーマンションを宿泊営業に充てる場合には、旅館業法による許可が必要で、一定の設備の設置等が求められる。
内金
内金とは、売買契約が成立した後に、売買代金の一部として買主から売主へ交付される金銭のこと。
手付が売買契約が成立する際に交付されるのに対して、内金は契約成立後に交付されるという違いがある。
また、手付は契約の義務が履行されれば代金に充当されるのに対して、内金は交付される時点ですでに代金の一部である。
ウッドデッキ
庭の一部に設けられた木製の床で、居間等と連続した造りになっているものを「ウッドデッキ(木の甲板)」という。
オーク
ブナ科コナラ属の落葉広葉樹の総称で、建築材、家具材、船材、樽材などとして古くから使われている。英語のoakで、和名はナラ(楢)である。
オーク材は、硬さと耐朽性を備え、木目や色に天然木の美しさがあることから、建材においては無垢材として使われる場合が多い。
なお、オークは落葉樹であって、コナラ属の常緑樹であるカシ(樫)とは区別される。
オーナーチェンジ
賃貸住宅の所有者が、賃借人が入居したままその建物を売却することをいう。
購入者は新たに賃借人を見つける必要がなく、投資用のワンルームマンションでよく使われる方法である。その際に、賃借人から預かっている敷金の引渡しや建物の管理ルールの引継ぎなどに注意が必要である。
か行
建ぺい率
敷地面積に対する建築面積(建物の水平投影面積)の割合(%)。
例えば、敷地面積が100平方メートル、その敷地上にある住宅の建築面積が50平方メートルならば、この住宅の建ぺい率は50%ということになる。
建物の建ぺい率の限度は、原則として、用途地域ごとに、都市計画によってあらかじめ指定されている。
コインランドリー
貸洗濯機店。洗濯機・乾燥機を備えていて、セルフサービスで洗濯することができる店舗のことで、「コインランドリー」は和製英語。英語ではSelf-service laundry、Launderetteなどという。
さ行
サーキュレーター
室内の冷暖房の空気等を循環させる装置。天井などに取り付け、冷暖房と併用する。
暖房時には上部に溜まりやすい暖かい空気を下方へ、冷房時には下部に溜まる冷たい空気を循環させる。すなわち、室内の空気の質・温度を均一にする道具である。
敷金
建物の借主が、賃料その他賃貸借契約上の債務を担保するため、貸主に交付する金銭をいう。
敷金は、契約が終了した場合に、未払賃料等があればこれを控除したうえで借主に対して退去後に返還される。
積算
工事に要する経費を見積もること。設計図書等に基づいて、施工に要する材料費、労務費、機械経費、工事管理費などを推計し、総額を算出する業務である。工事の請負価額は、通常、積算を基に、入札、相見積もり、協議などによって決定される。
積算のための費目や算定方法については、工事の種類に応じて標準化されている。しかしながら、積算価額は予測値であって、工事に要する実際の価額は、建築物等の品質、施工技術、工事条件などによって異なる。
セットバック
2項道路(建築基準法第42条第2項の規定により道路であるものとみなされた幅4m未満の道のこと)に接する場合において、建物を建築・再建築する際、道路の中心線から2mとなるよう敷地の一部を後退させることをいう。
なお、セットバックした部分は道路とみなされ、建物を建築することはできない。
相続税
相続や遺贈によって取得した財産に対して賦課される税をいう。
この場合の財産には、相続時精算課税制度の適用を受けて贈与により取得した財産を含む。
納税義務者は財産を取得した者であるが、税額の算定に際しては各種控除などが適用されるので、十分な注意が必要である。
一般的な相続税額の算出手順は次の通りである。
(1)課税価格の算出
取得した財産の価額から、一定の生命保険金等の非課税財産の価額、小規模宅地に係る減額相当額などを減じ、相続時精算課税に係る贈与財産価額や3年以内の贈与財産の価額などを加算して、課税財産額を算出する。
(2)相続税総額の算出
ア 課税遺産総額の算出:(1)で算出した課税価格から、遺産に係る基礎控除額(3,000万円+600万円×法定相続人の数)を減じる。
イ 法定相続人の取得金額の算出:アで算出した課税遺産総額を民法に定める法定相続分に従って取得したと仮定して、各法定相続人の取得金額を算出する。
ウ 法定相続分ごとの取得金額に応じた相続税額の算出:イで算出した金額に相続税率を乗じて算出する。税率は、取得金額に応じて、10%から55%まで累進的に定められている。
エ 相続税総額の確定:ウで算出した法的相続人ごとの相続税額を合計する。
(3)各人ごとの相続税額の算出
(2)エで確定した相続税総額を、各人の実際の相続割合に応じて按分し、相続税額を算出する。
各人ごとの相続税額=(2)エの価額×各人の相続割合
(4)各人の納付税額の算出
(3)の価額から、相続人の属性に応じて、配偶者税額軽減、未成年控除などの各種税額控除額を減じ、各人の納付税額を確定する。この場合、財産取得者が被相続人の配偶者、父母、子供以外の者である場合には、相続税額の20%相当額を加算して納付税額が算出されることに注意が必要である。
相続税は、被相続人が死亡したことを知った日の翌日から10ヵ月以内に申告納税しなければならない。
た行
仲介手数料
宅地建物取引業者を通して不動産を売ったり買ったり、あるいは貸したり借りたりする場合に、媒介契約にもとづき、宅地建物取引業者に成功報酬として支払うお金のこと。
媒介手数料(媒介報酬)ともいう。
定期借家契約
平成12年3月1日の改正法施行により、借家契約時に貸主が「期間の満了により契約が終了する」ことを借家人に対して、公正証書などの書面を交付して説明する場合には、賃貸期間が終了すると借家契約も終了し、借家人は退去しなければならないとする契約。
原則として契約の更新はできず、再契約には貸し主・借家人双方の合意が必要である。
テラスハウス
2階建ての連棟式住宅のことをいう。
隣家とは共用の壁で連続しているので、連棟建て、長屋建てともいわれる。
各住戸の敷地は、各住戸の単独所有となっている。
な行
ナイトテーブル
ベッドの脇に置く小さいテーブル。収納スペースを備えたものもある。時計、メガネ、本などを置くなど、ベッドと組み合わせて使われることが多い。
なお、「ナイトテーブル」は和製英語で、英語ではnight stand(ナイト スタンド)またはbedside table(ベッドサイド テーブル)という。
は行
パーキング
駐車場。不特定多数に対する短期的な貸付け営業の用に供するものを指すことが多い。英語のparking lotの略。
パーキングは、永続的な設備として設置されるほか、空き地の活用や建築予定地の一時的な利用のために設置される場合がある。
公共の用に供するパーキングであって、駐車の用に供する部分の面積が五百平方メートル以上であるものの構造および設備は、建築基準法のほか、駐車場法で定める基準によらなければならない。また、内にこれを設置するときには、設置者は、都市計画区域らかじめ、規模、構造等を都道府県知事等に届け出なければならない。
ま行
マグニチュード
地震の規模を表す量。地震波として放出されるエネルギーの量に基づいて算定され、観測地点とは無関係に定まる。一方、「震度」は、観測地点での地震動の強さを表す指標である。
マグニチュードの算定方法は、算定に用いる地震波の種類や周期などに応じて、表面波マグニチュード、実体波マグニチュード、気象庁マグニチュード、モーメントマグニチュードなどがあるが、いずれも地震波のエネルギー量を示すことは共通である。
例えば、観測史上最大の地震であるチリ地震(1960年)のマグニチュードは9.5、関東南東部地震(関東大震災、1923年)は7.9、兵庫県南部地震(阪神・淡路大震災、1995年)は7.3、三陸沖地震(東日本大震災、2011年)は9.0であった(『理科年表』)。
や行
家賃債務保証
住宅の賃貸借契約に当たって、家賃債務を担保するために求められる保証をいう。
連帯保証人を立てる方法が一般的であるが、それに代わって、家賃滞納の場合に一時的に立替え払いするサービス(家賃債務保証サービス)が活用されることもある。
家賃債務保証サービスは、
1.借主が、保証会社に保証料を支払ったうえで債務保証を委託し、
2.保証会社は、貸主と家賃債務を保証する契約を締結し、
3.家賃滞納が発生した場合には、保証会社が貸主に家賃を立替え払いし、
4.後日、保証会社が借主に立て替えた金額を求償する
という仕組みで運営されている。
家賃債務保証サービスをめぐっては、連帯保証人の依頼が難しくなっているなかで、借主の信用を補完することによって住居を確保しやすくする役割を果たしているという評価がある一方、立て替えた家賃金額の取立てのために、保証会社による執拗な督促、無断での鍵の交換や室内への侵入などの不適切な行為がみられるという批判もある。
住宅確保要配慮者に対して、利用しやすい家賃債務保証業者の認定や住宅金融支援機構の家賃債務保証保険による保証リスクの低減が図られるような取り組みが行なわれている。
ら行
礼金
建物の賃貸借契約を締結する際に、借主から貸主に対して、謝礼として支払われる金銭をいう。
契約が終了しても通常、借主に返還されない。
わ行
ワンルーム
一部屋で構成する住戸又はその間取りをいう。居室(リビング)、浴室・トイレ、キッチンを備えている。英語でOne-roomとつづれるが、意味上は和製英語である。
「ワンルームマンション」は、ワンルームで構成された集合住宅又は住戸そのものをさすが、その間取りは、一つの居室とキッチンスペースとが仕切られ、キッチンが独立しているタイプのものが多い。一方、「ワンルーム」のなかには、部屋に間仕切りがなく、キッチンスペースを含めて一部屋だけの住戸もある。
不動産の間取り表示において、キッチンスペースが仕切られているワンルームを「1K」、仕切られていないワンルームを「1R」と区別する場合がある。